時は18世紀後半のフランス
ショデルロス・デ・ラクロによって複雑な貴族のラブストーリー を描いた、1782年作「危険な関係」(Les Liaisons dangereuses) こちらで登場する色男、”ヴァルモン卿” 彼を究極の誘惑者として呼称するのだが、いわゆるプレイボーイの象徴としてだ。カサノバがイタリアでそう呼ばれるようにフランスではヴァルモンがそうゆう存在になった。
今回のモデルはその名から「ヴァルモン」
理想のジレを求め、3ピーススーツのようなフォーマルすぎるベストではなく、かつカジュアル過ぎないルティズのエレガントを表現する。インスピレーションはその18世紀に着用されたフランスのジレから。あのヴァルモンが着ていたもの。
当時のジレ、オリジナル (1700年代後半) はこの写真のように胸ポケットはない。フランス人は控えめなエレガンスを持ち胸にポケットスクエアを着用しない。それは、ハンカチ(くしゃみや咳に使われる)を胸に見せる行為はあまりエレガントではないからだ。
1つ重要な定義はイギリス風なジレではなくあくまでフランス。ジレの最後のボタンを開けるのはあくまでイギリスの文化、これはもちろん自由に着ていいのだが、全て閉めるか開けるかが好ましい。イギリスのギミックとして一番下のボタンを開けることはしなくて良いとゆうことだ。この些細かもしれない根底にあるブランドの拘りこそが洋服に纏う何かに繋がるものだと思う。
ヴァルモンの襟のデザインは、フランスのかのジレの襟デザインを思い起こさせるようなもの。
生地はフランス産、コーデュロイ「corde duroi」。決してカジュアルな物ではなく上質かつ品格があるもの。
”Valmont” ヴァルモン
Lutays
100% cotton (flannel) Made in france
“Valmont”
Size 46,48
Col/ Olive green
Lutays
100% cotton (flannel) Made in france
“Valmont”
Size 46,48
Col/ Black
裏地はオフホワイトとライトグレーのVichy pattern (ヴィシーパターン)
なにかこれ、カントリー感を感じる。表地のコーデュロイの発色、質感とも相まり、良い抜け感になっている。
長めの着丈、スタンドカラー、裾の開き 当時の面影を生かしつつ、模写したものでも無く決して凄く新しいものでも無い。しっかりと文化、歴史を継承しつつ地に足をつけた物作り。やはりこの落ち着きと言いましょうか、出ますよね、丁寧なモノには。
デニム系、スラックス系スタイル、どちらも良さを出してくれるかと。